緑の熱環境緩和と快適性

2019年5月16日

熱環境の観測と評価 熱環境シミュレーション 緑の熱環境緩和と快適性 パッシブデザイン

“どのように緑化すれば快適な都市空間が形成されるか?”という疑問に対して、実験・実測~数値シミュレーションなどの、様々なアプローチで研究をしています。

緑の熱環境緩和効果は定性的には分かっているものの、我々は科学的かつ定量的に明らかにしています。

緑による快適な微気候の創出

微気候とは、その空間に形成される特有の気候です。樹木は日射遮蔽や蒸散効果などにより、夏季に快適な微気候を形成します。適切に緑化をすることで、都市空間や住宅地に快適な微気候を創出する方法を研究しています。

コンピュータ上に再現した3Dの都市モデルを用いて、緑化を行ったときの景観を確認しながら、シミュレーションにより熱環境の評価を行う研究も行っています。これにより、視覚的(定性的)にも熱的(定量的)にも効果の高い緑化デザインを明らかにしています。

大型重量計を用いた単木蒸散量の高精度計量化

1本の実大樹木の水収支を大型重量計を用いて丸ごと計測することで、単木の蒸散量の特性を明らかにしています。これまで、ケヤキの3年間にわたる蒸散量や熱・水収支の特性を明らかにしたほか、11種類の樹木の蒸散量も明らかにしています。

熱画像を用いた都市空間における樹木の水ストレス検知

リモートセンシング技術の一つである熱画像から、樹木の水ストレスを検知する手法を開発しています。都市緑化の樹木は、降雨や潅水不足により、比較的容易に水ストレスの影響を受けます。それによって、蒸散量が不十分だと熱環境改善効果も得られにくくなるため、水ストレスを適切に検知し、潅水計画に反映する研究を行っています。

3Dレーザー計測による樹木の3次元情報の高精度取得

リモートセンシング技術の一つである3Dレーザーセンシングにより、樹木の高さや葉の密度情報などを高精度に取得する手法を開発しています。使用するレーザーセンシングは地上に設置をするタイプや航空機(ヘリコプター)から計測をするタイプなどです。取得された樹木の3次元情報は熱環境のシミュレーションなどに利用します。