熱環境シミュレーション

2019年5月16日

熱環境の観測と評価 熱環境シミュレーション 緑の熱環境緩和と快適性 パッシブデザイン

都市街区や建築をコンピュータ上で詳細に再現し、数値シミュレーションにより熱環境の特性を明らかにしています。

本研究室では、観測では把握しきれない都市や建築空間の熱環境に関する現象のメカニズムを、コンピュータシミュレーションを用いることで明らかにしています。また熱環境対策を実施した場合の効果をシミュレーションにより予測することで、今後の都市や建築の設計に活かす取り組みも行っています。

3次元CADを用いた都市街区の熱環境シミュレーションツールの開発

都市の街区スケールの熱環境を解析するには、建物の形状や構成材料、樹木の配置等を詳細に再現したうえで、コンピュータシミュレーションを行うことが有効です。

そこで、3次元CAD(Computer-Aided Design)を用いて都市街区をモデリングし、熱環境シミュレーションを行う解析手法を開発しています。

CFDシミュレーションとの連成解析手法の構築

都市街区の熱環境や快適性を評価するには、都市の表面の熱収支を解析するのと同時に、大気の風や熱の流れを解析することが重要です。

そこで、建物や樹木の表面における熱収支と気流の連成解析手法を構築しています。気流の解析は、CFD(Computational Fluid Dynamics)シミュレーションにより実施します。

右側の動画は、詳細な建物形状を再現した建物や街区の熱収支と風や熱の流れを解析した結果です。建物の形状や表面材料が、表面温度や周辺の気温分布に及ぼす影響が良く分かります。すなわち、建物のデザインや材料を工夫することによって、熱環境も改善ができるということになります。

都市街区や建築の設計における効果的な熱環境対策の実現

建物の形状や材料、樹木の配置等を適切に設計することで、都市空間に快適な熱環境を実現することが可能です。コンピュータシミュレーションのメリットとしては、設計段階において、効果的なデザインや手法、およびそれらの適切な組み合わせを探求できることです。当研究室では、コンピュータシミュレーションにより、その一連のプロセスを研究しています。